生成モデルとは?意味・仕組み・使い方を初心者向けにわかりやすく解説

生成モデルとは、学習したデータのパターンや分布をもとに、新しい文章・画像などのデータを作り出す機械学習モデルです。

ChatGPTなどの生成AIサービスが広く使われるようになり、「生成モデル」という言葉を目にする機会も増えました。

しかし、「生成AIと生成モデルは同じ?」「LLMとは何が違う?」「どのような仕組みで文章や画像を作っている?」と疑問を持つ人もいるでしょう。

この記事では、生成モデルの意味から仕組み、代表的な種類、生成AIとの違い、実際の使い方まで初心者向けに解説します。

目次

生成モデルとは?

生成モデルとは、学習データに含まれる特徴やパターンを学び、それをもとに新しいデータを生成するモデルです。

たとえば、大量の画像から動物の特徴を学んだ生成モデルであれば、学習した特徴をもとに新しい動物の画像を作れます。

文章を扱うモデルなら、入力された文章やそれまでに生成した内容をもとに、続く言葉を生成して文章を組み立てることも可能です。

つまり、単に犬か猫かを分類するだけではありません。学習した特徴から新しいデータを作れることが、この技術の大きな特徴です。

生成モデルと生成AIの違い

ただし、このモデルと生成AIは深く関係していますが、同じ意味ではありません。

用語意味
AI人工知能に関する広い概念
生成AI文章・画像・音声などのコンテンツ生成を得意とするAIの技術分野
生成モデル新しいデータを生成するために使われるモデル
ChatGPTAIモデルなどを利用して提供されるAIサービス

生成AIという技術を実現するために、この種のモデルが利用されると考えると理解しやすいでしょう。

一方、ChatGPTはモデルそのものの名称ではなく、OpenAIが提供するAIサービスです。

生成モデルと判別モデルの違い

また、この技術を理解するうえで知っておきたいのが「判別モデル」との違いです。

大まかに分けると、判別モデルはデータを見分け、生成側のモデルは新しいデータを作ることを得意とします。

たとえば、犬と猫の画像を扱う場合を考えてみましょう。

モデル主な役割
生成モデル新しいデータを生成する新しい犬の画像を作る
判別モデルデータを分類・判別する写真が犬か猫か判断する

実際のAIシステムには、このような複数の考え方が組み合わされる場合もあります。

生成モデルとは何かと基本的な仕組みを示す図

生成モデルの仕組み

なお、方式によって詳しい仕組みは異なります。基本的には大量のデータから特徴を学び、その結果を利用して新しい出力を作ります。

初心者向けに、大きく3段階で考えてみましょう。

学習データからパターンを学ぶ

最初に、モデルへ学習用のデータを与えます。

文章なら言葉同士の関係、画像なら色・形・構図など、データの中に存在するさまざまな特徴を学習します。

ここで重要なのは、生成モデルが単純にデータを並べるのではなく、データの中にある関係や傾向をモデル内部のパラメータなどへ反映していくことです。

学習したパターンから新しいデータを生成する

学習後は、モデルが学んだ特徴を利用して新しいデータを作ります。

たとえば、文章生成モデルでは、それまでの文脈から次に続く可能性のある語やトークンを予測しながら文章を生成する方式があります。

画像生成では、文章で指定された内容に合うように画像を作るモデルもあります。

そのため、同じ指示を与えた場合でも、必ず同じ結果になるとは限りません。

生成モデルの自己回帰・拡散・GAN・VAEを示す図

生成モデルの代表的な種類

また、代表的な方式は複数あります。

代表的なものとして、自己回帰モデル、拡散モデル、GAN、VAEなどが挙げられます。

種類基本的な考え方主な用途の例
自己回帰モデルそれまでのデータをもとに次のデータを予測文章生成など
拡散モデルノイズから段階的にデータを形成画像生成など
GAN生成側と判別側を競わせて学習画像生成など
VAEデータを圧縮した表現から類似データを生成画像生成・データ生成など

自己回帰モデル

まず、自己回帰モデルは、それまでのデータから次に続くデータを予測する方式です。

文章生成であれば、これまでの文脈を参照しながら次のトークンを生成し、それを繰り返して文章を作っていくイメージです。

Transformerを利用するモデルなどでも、この考え方が使われています。

拡散モデル

次に、拡散モデルはノイズを加える過程を学習します。その逆向きの処理で、目的に近いデータを作る方式です。

特に画像生成の分野で知られています。

初心者の場合は、「最初はバラバラなノイズだったものを、少しずつ意味のある画像へ整えていく」とイメージすると理解しやすいでしょう。

GAN

一方、GANは「Generative Adversarial Network」の略です。日本語では敵対的生成ネットワークと呼ばれます。

生成する側と、それが本物らしいかを見分ける側を組み合わせ、互いに競わせながら学習する方式です。

生成側がより本物らしいデータを作れるようになることを目指します。

VAE

さらに、VAEは「Variational Autoencoder」の略です。日本語では変分オートエンコーダーと呼ばれます。

データをいったん扱いやすい表現へ圧縮し、その表現を利用して新しいデータを生成します。

そのため、元のデータの特徴を学び、似た新しいデータを作れることがポイントです。

生成モデルの使い方と注意点を示す図

生成モデルでできること

これらのモデルは、扱うデータによってさまざまな用途に利用できます。

代表的な例は次のとおりです。

  • 文章の作成
  • 文章の要約
  • 質問への回答
  • プログラムコードの生成
  • 画像の生成
  • 画像の編集
  • 音声の生成
  • 動画の生成

たとえば文章を扱うモデルは、メール文案や要約、アイデア出しなどに利用できます。

画像を扱うモデルなら、入力した文章をもとにイラストや画像を作れます。

ただし、すべての方式が文章・画像・音声・動画を一度に扱えるわけではありません。

モデルごとに得意なデータや機能は異なります。

生成モデルの使い方

一方で、一般の利用者はモデルを一から開発する必要がありません。

多くの場合は、生成AIサービスを通じて利用します。

基本的な流れは次のとおりです。

  1. 目的に合った生成AIサービスを選ぶ
  2. 作成したい内容や条件を入力する
  3. 生成された結果を確認する
  4. 必要に応じて指示を追加する
  5. 最後に人が内容を確認して利用する

たとえば文章を作りたい場合、「文章を書いて」とだけ伝えるより、目的・対象読者・必要な情報・出力形式まで具体的に伝えると、求める出力へ近づけやすくなります。

画像生成でも、描いてほしい対象だけでなく、構図や雰囲気、色などを指定する方法があります。

このようにAIへ与える質問や指示などは、一般に「プロンプト」と呼ばれます。

生成モデルを利用するメリット

さらに、この技術には新しいコンテンツの作成を支援できるメリットがあります。

文章の下書きやアイデア出しなど、人がゼロから作ると時間がかかる作業を補助できます。

また、用途によっては次のような使い方も可能です。

  • 情報を整理して文章にまとめる
  • 複数のアイデアを短時間で出す
  • 文章表現の候補を作る
  • プログラムコードのたたき台を作る
  • 画像制作の案を作る

ただし、モデルが作ったものをそのまま採用せず、人が確認・修正する前提で活用することが重要です。

生成モデルを利用するときの注意点

便利な技術ですが、出力された内容が常に正しいとは限りません。

特に、次の点には注意しましょう。

出力内容が正しいとは限らない

このモデルは、学習したパターンなどをもとに出力を作ります。

そのため、文章として自然でも事実とは異なる内容が含まれる可能性があります。

重要な情報は、公式サイトや公的機関など信頼できる情報源で確認しましょう。

機密情報や個人情報の入力に注意する

業務で生成AIサービスを利用する場合は、会社の機密情報や顧客の個人情報などを安易に入力しないことも重要です。

入力データがどのように扱われるかはサービスや契約内容によって異なるため、利用規約や組織のルールを確認してください。

著作権など第三者の権利を確認する

生成された文章や画像を公開・商用利用する場合は、著作権をはじめとした第三者の権利にも注意が必要です。

「AIが生成したから自由に使える」と一律に判断せず、利用するサービスの規約や利用場面を確認しましょう。

生成モデルについてよくある質問

生成モデルと生成AIは同じですか?

同じではありません。

まず、生成AIは文章や画像などの新しいコンテンツを作る技術分野です。

一方、ここでいうモデルは新しいデータを作るために使われます。

「生成AIを実現するために専用のモデルが利用される」と考えると理解しやすいでしょう。

生成モデルとLLMは同じですか?

完全に同じ意味ではありません。

LLMは「Large Language Model」の略で、大規模言語モデルを意味します。主に言語を扱うモデルの分類です。

生成用途のLLMは新しいデータを作るモデルとして機能します。また、画像など言語以外を扱うものもあります。

そのため、この分類のほうが対象となるデータの種類は広くなります。

ChatGPTは生成モデルですか?

いいえ。ChatGPTは生成モデルそのものではなく、OpenAIが提供するAIサービスです。ChatGPTは生成モデルそのものではなく、OpenAIが提供するAIサービスです。

その裏側では、AIモデルが利用されています。

「モデル」と「利用者が操作するサービス」を分けて理解すると、生成AI関連の用語を整理しやすくなります。

生成モデルはプログラミングができなくても使えますか?

一般的な生成AIサービスを利用するだけであれば、必ずしもプログラミングは必要ありません。

たとえば、文章による指示や画面操作だけで利用できるサービスもあります。

一方、生成モデルを自分で開発したり、APIを使ってシステムへ組み込んだりする場合は、機械学習やプログラミングの知識が必要になることがあります。

まとめ

生成モデルとは、学習データの特徴やパターンを学び、それをもとに新しいデータを生成する機械学習モデルです。

文章を順番に生成する自己回帰モデル、画像生成などで利用される拡散モデル、生成側と判別側を競わせるGAN、データを圧縮した表現から生成するVAEなど、複数の方式があります。

また、「生成モデル」「生成AI」「ChatGPT」は同じ意味ではありません。

生成AIはコンテンツ生成を行うAIの技術分野、生成モデルはそのために利用されるモデル、ChatGPTはAIモデルなどを利用して提供されるサービスという違いがあります。

この関係を理解しておくと、LLMや基盤モデル、GPTといった関連用語についても整理しやすくなるでしょう。

出典・参考情報

関連用語

この記事を書いた人

田中和馬のアバター 田中和馬 株式会社エヌ・ケーパートナーズ/AIスクールガイド|AWL編集長

株式会社エヌ・ケーパートナーズが運営する「AIスクールガイド|AWL」編集長。10年以上にわたり、SEOメディアの立ち上げ・構築・運用に携わってきました。

2024年頃から生成AIを独学で学び始め、その後、生成AIスクールでも体系的に学習。現在はChatGPT、Gemini、Claudeなどを活用し、ディープリサーチによる情報収集、マーケティング企画、記事構成・文書作成、メール作成、業務自動化などに日常的に取り組んでいます。

また、生成AIをWebサイトの企画・制作、コーディング、デザインにも活用。エンジニアやデザイナーの業務領域を理解しながら、自らディレクションを行い、メディアの設計から制作・運用まで一貫して担当しています。生成AIスクール・講座の調査、比較基準の設計、記事編集・品質管理も担当しています。

コメント

コメント一覧 (1件)

目次