個人情報とは何か、どこまでを指すのか疑問に感じる人もいるでしょう。名前を消せば対象外になるのかも、よくある疑問です。
個人情報とは、生存する個人に関する情報のうち、本人を識別できるものなどです。氏名や顔画像だけでなく、ほかの情報との組み合わせや個人識別符号も対象になります。
生成AIを仕事や学習で利用する機会が増えたことで、個人情報をどこまで入力してよいかを判断する知識も重要になっています。
この記事では、個人情報とは何かを初心者向けに解説します。具体例、個人データとの違い、基本的な扱い方、生成AI利用時の注意点を紹介します。
個人情報とは?簡単にいうと「誰の情報かわかる情報」
法律に沿って、個人情報とは何かを確認しましょう。生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別できるものなどです。
初心者向けには「その情報を見ることで、誰の情報なのかわかるか」を一つの目安にすると理解しやすいでしょう。
ただし、氏名が書かれている情報だけが個人情報ではありません。
個人情報に該当する2つのパターン
個人情報には、大きく分けて次の2つのパターンがあります。
- 氏名、生年月日、顔画像などから特定の個人を識別できる情報
- 個人識別符号が含まれる情報
1つ目には、単独では本人を特定できなくても、ほかの情報と容易に照合することで誰なのかわかる情報も含まれます。
一方、個人識別符号は、その情報だけで本人を識別できる符号です。マイナンバー、旅券番号、一定の生体認証データなどが該当します。

個人情報の具体例
身近な個人情報には、次のようなものがあります。
- 氏名
- 氏名と住所の組み合わせ
- 本人を識別できる顔写真や映像
- 個人が識別できるメールアドレス
- 顧客名と購入履歴を組み合わせた情報
- 個人識別符号を含む情報
注意したいのは、住所や電話番号などは常に単独で個人情報になるとは限らないことです。
単独で本人を識別できない情報もあります。しかし、氏名や勤務先などと容易に組み合わせて本人がわかる場合は、個人情報に該当することがあります。
また、すでに公表されている情報も対象になり得ます。要件を満たせば個人情報であり、公開済みだから除外されるわけではありません。
個人情報はどのような仕組みで守られる?
個人情報保護では、単に情報を「秘密にする」だけでなく、何のために取得し、どのように利用・管理するのかが重要です。
事業者には、利用目的の特定や通知・公表が求められます。安全管理など、個人情報保護法に基づくルールもあります。
利用目的を決めて取得・利用する
個人情報取扱事業者は、個人情報を扱う際に利用目的をできる限り特定する必要があります。
たとえば、利用目的は具体的に示します。問い合わせへの回答、商品の発送、契約管理など、本人が合理的に予測できる内容が基本です。
また、あらかじめ利用目的を公表していない場合には、取得後、原則として本人への通知または公表が必要になります。
つまり、個人情報は「集められるだけ集めて、あとで自由に使う情報」ではありません。
個人データは安全に管理する
たとえば、個人情報が検索可能なデータベースなどに整理されると、「個人データ」に該当する場合があります。
個人データを取り扱う事業者には、漏えい・紛失・毀損などを防ぐために、必要かつ適切な安全管理措置を講じることが求められます。
具体的な方法は、扱う情報の種類や量、事業規模、漏えいした場合のリスクなどによって異なります。
そのため、複数の対策を組み合わせます。アクセス制限、パスワードや暗号化、従業員への周知などが例です。
個人情報と似た用語の違い
関連用語との違いから、個人情報とは何かを理解しましょう。ここでは、個人データ、要配慮個人情報、プライバシー、機密情報を整理します。

| 用語 | 初心者向けの意味 | ポイント |
|---|---|---|
| 個人情報 | 特定の個人を識別できる情報など | 法律上の基本的な概念 |
| 個人データ | 個人情報データベース等を構成する個人情報 | 安全管理や第三者提供などの規律が関係する |
| 要配慮個人情報 | 特に慎重な取扱いが必要な個人情報 | 病歴などが含まれ、取得には原則として本人同意が必要 |
| プライバシー | 私生活や個人に関する情報・利益を守るという広い考え方 | 個人情報という法律上の定義と完全に同じではない |
| 機密情報 | 組織外へ公開すべきでない情報 | 個人情報を含む場合も、含まない場合もある |
個人情報と個人データの違い
「個人情報」と「個人データ」は同じ言葉ではありません。
個人データとは、個人情報データベース等を構成する情報です。検索できる顧客管理システム内の情報などが該当する場合があります。
一方、個人情報データベース等を構成していない個人情報は、必ずしも個人データではありません。
この違いが重要なのは、個人データになると、安全管理や第三者提供などに関する規律が関係するためです。
要配慮個人情報とは
要配慮個人情報とは、不当な差別や偏見などの不利益が生じないよう、取扱いに特に配慮する必要がある情報です。
たとえば、病歴や健康診断結果などが該当する場合があります。
要配慮個人情報は、法令で定められた例外を除き、取得する際に原則として本人の同意が必要です。
通常の個人情報より慎重な扱いが求められると覚えておきましょう。
プライバシーや機密情報とは同じではない
個人情報とプライバシーは関連しますが、完全な同義語ではありません。
個人情報は法律で定義される用語です。一方、プライバシーは、私生活や個人に関する利益を守るという広い文脈で使われます。
また、機密情報とも区別が必要です。
たとえば、企業の未公開の新商品計画は機密情報ですが、個人を識別する情報を含まなければ、それだけで個人情報になるわけではありません。
反対に、顧客名簿であれば、個人情報であると同時に会社の機密情報として管理される場合があります。
個人情報はどのような場面で使われる?
個人情報は、日常生活やビジネスのさまざまな場面で利用されています。
たとえば、ネットショップでは氏名や住所を商品の配送に利用します。問い合わせ窓口では、連絡先を回答や本人確認に使うことがあります。
会社では、従業員の氏名や連絡先、給与関係の情報を人事・労務管理に利用することもあるでしょう。
大切なのは、「個人情報だから使ってはいけない」のではなく、利用目的や法律上のルールに従って適切に扱うことです。
まず、個人情報とは何かを確認したうえで、扱う流れを整理しましょう。
- 何のために必要なのかを明確にする
- 必要な範囲で取得する
- 決めた目的に沿って利用する
- 漏えいや不正アクセスを防ぐ
- 第三者へ提供するときは必要な条件を確認する
- 不要になった情報は社内ルールなどに従い適切に管理・削除する
生成AIで個人情報を扱うときの注意点
ChatGPTをはじめとする生成AIサービスを利用するときも、個人情報の扱いには注意が必要です。
特に仕事で生成AIを使う場合は、「入力した情報がどこへ送られるのか」「サービス提供者がどのように扱うのか」を確認してから利用しましょう。

他人の個人情報を安易に入力しない
文章を要約したりメールを作成したりするときに、顧客名、電話番号、住所、社員情報などをそのまま生成AIへ貼り付けるのは避けるべきケースがあります。
必要がなければ、氏名を「顧客A」のように置き換えるなど、本人を識別する情報を入力しない方法を検討しましょう。
ただし、氏名を消しただけでは対象外にならない場合があります。ほかの情報と容易に照合して本人を特定できれば、個人情報に該当する可能性があります。
サービス側の保存・学習利用を確認する
生成AIサービスによって、入力内容の保存方法やサービス改善・モデル学習への利用条件は異なります。
そのため、「AIだから危険」「有料版なら何を入力しても安全」と一律に判断するのは適切ではありません。
利用前には、少なくとも次の点を確認しましょう。
- 入力したデータが保存されるか
- モデルの学習やサービス改善に利用されるか
- 管理者がデータ利用を制御できるか
- 利用規約やプライバシーポリシーでどのように定められているか
個人情報保護委員会も注意を呼びかけています。個人データを生成AIへ入力するときは、提供者が学習に利用するかなどを確認しましょう。
仕事では社内ルールも確認する
会社で生成AIを利用する場合、サービスの利用規約だけでなく、会社の情報管理ルールも確認する必要があります。
法律上入力できる可能性がある情報でも、会社のセキュリティポリシーで外部AIサービスへの入力が禁止されている場合があります。
顧客情報、従業員情報、契約書、未公開資料などを扱う場合は、個人情報と機密情報の両方の観点から判断しましょう。
「入力してよいかわからない」ときは、情報をそのままAIに渡す前に、社内の担当部署や管理者へ確認することが安全です。
個人情報に関するよくある質問
氏名だけでも個人情報になりますか?
代表的な例で、個人情報とは何かを考えてみましょう。特定の個人を識別できる氏名なら、個人情報に該当します。
一方、同姓同名が多く、その情報だけでは特定できない場合もあります。ほかの情報と容易に照合できる状況も含めて判断します。
電話番号だけなら個人情報ではありませんか?
電話番号だけで常に個人情報になる、またはならないとは一律に判断できません。
単独では本人を識別できなくても、氏名や顧客データなどと容易に照合することで特定の個人がわかる場合は、個人情報に該当する可能性があります。
インターネットに公開されている情報も個人情報ですか?
はい。公開されている情報であっても、個人情報の定義に該当すれば個人情報です。
「誰でも見られる情報だから個人情報ではない」という判断はできません。
個人情報と個人データは同じですか?
同じではありません。
個人データは、データベース等を構成する個人情報です。個人情報の中に、個人データに該当するものと、該当しないものがあります。
名前を消せば個人情報ではなくなりますか?
必ずしもそうではありません。
氏名を削除しても、所属、住所、履歴などほかの情報と容易に照合することで本人を識別できる場合は、個人情報に該当する可能性があります。
個人情報を生成AIへ入力してはいけませんか?
個人情報だから一律にすべて入力禁止と決まっているわけではありませんが、安易な入力は避ける必要があります。
事業者が入力する場合は、確認事項が増えます。学習利用の有無、第三者提供、利用目的、社内ルールなどを確認しましょう。
まとめ
まとめると、個人情報とは何かという問いへの答えは、生存する個人に関する情報のうち、本人を識別できる情報や個人識別符号を含む情報です。
氏名や顔画像だけでなく、ほかの情報と組み合わせることで本人がわかる情報も対象になる場合があります。また、公開済みの情報であっても、条件を満たせば個人情報です。
さらに、個人情報と個人データ、要配慮個人情報、プライバシー、機密情報は意味が異なります。似た言葉を混同せず、それぞれの扱い方を理解することが重要です。
生成AIを利用するときは、個人情報を安易に入力せず、サービス側の保存・学習利用、利用規約、社内ルールなどを確認しましょう。
基本的なAIリテラシーとして、個人情報とは何かを判断できることが大切です。便利なサービスを安全に利用するためにも理解しておきましょう。
関連用語
出典・参考情報
- 法的定義:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(確認日:2026年8月20日)
- 一般向けFAQ:個人情報保護委員会「よくある質問集(質問)」(確認日:2026年8月20日)
- 用語の違い:個人情報保護委員会「『個人情報』と『個人データ』の違いは何か」(確認日:2026年8月20日)
- 生成AI利用時の注意:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(確認日:2026年8月20日)
- 政府広報オンライン「『個人情報保護法』を分かりやすく解説。個人情報の取扱いルールとは?」(確認日:2026年8月20日)
