AI人材検定は、AIに関する知識やビジネス活用力を段階的に評価する検定制度です。そのうち、生成AIを安全に使うための基礎知識を扱うエントリーレベルが「AIリテラシー検定」です。
これから生成AIを仕事で使い始める人や、情報漏えい・著作権・ハルシネーションなどのリスクまで含めて基礎を学びたい人に向いています。
試験はオンライン形式で、AIリテラシー検定は60分・60問の選択式です。受検料は8,800円(税込)。一方、合格率や具体的な合格点は公表されていないため、「何%なら合格できる」といった情報を前提に対策する資格ではありません。
そこで、この記事では、AI人材検定とAIリテラシー検定の関係から、難易度、試験内容、受検料、勉強方法まで公式情報をもとに整理します。
AI人材検定・AIリテラシー検定とは
この検定制度は、一般社団法人日本AI導入支援協会が運営しています。AI人材に必要な知識や実践力を段階的に評価します。
さらに、AIに関する基礎理解だけでなく、生成AIの業務活用や組織への導入まで、レベルに応じて段階的に学べる構成になっています。
その中で初心者向けに位置づけられているのが「AIリテラシー検定」です。
AI人材検定は3段階の検定制度
具体的には、AI人材検定には次の3つのレベルがあります。
| レベル | 検定名 | 主なテーマ |
|---|---|---|
| エントリー | AIリテラシー検定 | 生成AIの基礎、安全な利用、リスク |
| スタンダード | AIビジネス検定 | プロンプト設計、業務活用、成果物の改善 |
| アドバンス | AIコンサルタント検定 | AI導入戦略、ガバナンス、指導・教育 |
つまり、「AI人材検定」と「AIリテラシー検定」という2つの独立した資格を取得するわけではありません。
つまり、AI人材検定という制度のエントリーレベルがAIリテラシー検定と考えると分かりやすいでしょう。

「生成AIリテラシー検定」とは別の資格
一方、名称が似ているため注意したいのが「生成AIリテラシー検定」です。
ただし、AI人材検定の「AIリテラシー検定」と、別団体が運営する「生成AIリテラシー検定」は異なる資格です。
また、AWLでは、別資格である生成AIリテラシー検定についても個別に解説しています。
受検を検討するときは、資格名だけではなく、運営団体や公式サイトまで確認しましょう。
AIリテラシー検定の基本情報
まず、AIリテラシー検定の基本情報は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | AI人材検定 AIリテラシー検定 |
| 運営 | 一般社団法人日本AI導入支援協会 |
| レベル | エントリー |
| 受検資格 | 原則として前提資格なし |
| 試験方式 | オンライン |
| 試験時間 | 60分 |
| 問題数 | 60問 |
| 出題形式 | 選択式 |
| 受検料 | 8,800円(税込) |
| 開催 | 奇数月を基本とする年6回 |
| 認定 | 合格者にデジタル認定証 |
| 有効期限 | 1年 |
| 更新 | 再受検が必要 |
| 更新料 | 各級の通常受検料の半額 |
| 合格率 | 公式公表を確認できず |
| 合格基準 | 詳細は受検時に案内 |
| 対応言語 | 公式ページ上で明確な記載を確認できず |
| 試験コード | 公式ページ上で記載を確認できず |
なお、料金や開催日程などは変更される可能性があります。受検前には必ず公式サイトの最新情報を確認してください。
AIリテラシー検定の難易度
そのため、AIリテラシー検定は、公式に「エントリー」と位置づけられています。AI人材検定の中では最初に学びやすいレベルです。
ただし、「入門レベル=勉強せずに合格できる」という意味ではありません。
公式ではエントリーレベル
具体的には、専門的なAIモデルの開発やプログラミングよりも、生成AIを安全に利用するための基礎知識に重点があります。
たとえば、生成AIの基本的な特徴に加えて、次のような実務上の判断が問われます。
- 機密情報を生成AIへ入力してよいか
- 個人情報をどのように扱うべきか
- AIの回答をそのまま信用してよいか
- 著作権や権利侵害にどう注意するか
- 業務でどのような場面にAIを使うべきか
一方、日常的に生成AIを利用している人でも、安全利用や権利関係を曖昧なまま使っている場合は対策が必要です。
合格率・合格点は公開されていない
なお、AIリテラシー検定について、公式FAQでは級ごとに合格基準を設定しているとしています。ただし、具体的な基準は受検時に案内するとされています。
また、公開情報から信頼できる合格率も確認できません。
そのため、「合格率○%だから簡単」「○点取れば合格」といった第三者情報だけで難易度を判断しないほうが安全です。
そこで、難易度を考える際は、公式の位置づけである「エントリー」と、実際の出題範囲の広さを基準にするとよいでしょう。
AIリテラシー検定の試験内容・出題範囲
具体的には、AIリテラシー検定では大きく4つの分野から出題されます。

生成AIの基礎
まず問われるのは、AIや生成AIに関する基本的な理解です。
たとえば、主なテーマには次のようなものがあります。
- AI・生成AIとは何か
- 代表的な生成AIツール
- 生成AIの基本的な仕組み
- AIが得意なこと・苦手なこと
つまり、単にChatGPTなどの操作方法を覚えるだけではありません。生成AIの特性を理解したうえで使うことが重視されています。
基本的な使い方
次に、生成AIへどのように指示するかを学びます。
具体的には、プロンプトの基本、対話の進め方、業務での活用場面などです。
一方、複雑なプロンプトエンジニアリングよりも、目的に合わせて必要な条件を伝える基礎が中心です。AIを適切に利用する力が求められます。
リスクと情報の扱い
さらに、AIリテラシー検定の重要な分野が、安全性と情報管理です。
主に次のテーマを確認しておきましょう。
- 機密情報
- 個人情報
- 著作権
- 権利侵害
- ハルシネーション
- 社内ルール
- AI利用ガイドライン
ただし、生成AIは便利ですが、入力する情報や生成された内容を人が確認する必要があります。
そのため、資格対策としてだけでなく、実際の業務で生成AIを利用する人にも重要な内容です。
出力の確認と活用
また、生成AIから得られた回答をどう扱うかも出題範囲です。
なぜなら、AIの出力には誤情報が含まれる可能性があるため、事実確認や出典確認が欠かせないからです。
そのほか、生成された文章の見直し、引用・出典の扱い、最終的な判断を人が行うことなども学習対象になります。
AIリテラシー検定の受検料・日程・試験方式
なお、AIリテラシー検定の受検料は**8,800円(税込)**です。
また、試験時間は60分、問題数は60問で、オンライン形式で実施されます。
さらに、公式FAQでは、試験は奇数月の年6回と案内されています。
- 1月
- 3月
- 5月
- 7月
- 9月
- 11月
そのため、各試験月の前月末までが申込期間とされています。
ただし、公式ページの日程表示は更新タイミングによって古い開催回が残っている場合があります。実際に申し込むときは、申込ページで受付中の級・開催回を確認してください。
AIリテラシー検定の勉強方法
また、AIリテラシー検定では、受検申込者向けに練習問題や学習教材、学習チェックリストが提供されています。
公式には必要な勉強時間の目安は示されていません。そのため、「10時間で十分」などと一律に決めるより、現在の知識量に応じて進めるほうが適切です。
1.公式教材で出題範囲を一通り確認する
まず、申込後に利用できる公式教材で4つの出題分野を一通り確認します。
ただし、初回から細かい用語をすべて暗記する必要はありません。
まずは、
「何が生成AIの基礎で、どこからが情報管理やリスクの話なのか」
という全体像をつかむことが重要です。
2.練習問題で理解できていない分野を探す
次に、公式の練習問題を解きます。
そのため、間違えた問題は答えだけを覚えるのではなく、「なぜその選択肢が不適切なのか」まで説明できるようにすると理解が深まります。
特に、
- 個人情報
- 機密情報
- 著作権
- ハルシネーション
- 出典確認
といった分野は、似た選択肢の違いを判断できるようにしておきましょう。
3.実際に生成AIを使って確かめる
また、プロンプトや生成AIの特性については、読むだけより実際に使ったほうが理解しやすくなります。
たとえば、同じ質問でも条件の伝え方によって回答がどう変化するかを試してみましょう。
また、もっともらしい誤情報が生成される可能性があることも、自分で検索・確認する習慣をつけると理解しやすくなります。
ただし、試す際にも実際の顧客情報や社外秘資料などを安易に入力しないことが重要です。
AIリテラシー検定を取得するメリット
まず、AIリテラシー検定を学ぶ主なメリットは、生成AIを安全に利用するための基礎を体系化できる点です。
一方、資格を取るだけで転職や昇進が保証されるわけではありません。ただし、学習内容そのものには実務で使いやすいテーマが含まれています。
生成AIの安全な使い方を整理できる
たとえば、自己流で生成AIを利用していると、便利な機能に意識が向き、情報漏えいや権利関係への理解が不足することがあります。
そこで、試験対策を通じて、安全利用に必要な論点をまとめて確認できます。
AIリテラシーを客観的に示せる
また、合格者にはデジタル認定証が発行されます。
そのため、生成AIについて一定の基礎知識を学んだことを示す材料の一つとして利用できます。
ただし、資格だけで実務能力のすべてを証明できるわけではありません。実際の業務経験や成果と組み合わせて考えることが大切です。
上位レベルへの学習につなげられる
さらに、基礎を身につけた後は、AI人材検定のAIビジネス検定など、より実務活用に重点を置いた学習へ進むこともできます。
AIの技術や歴史まで広く学びたい場合はG検定など、別の資格を検討する方法もあります。
AIリテラシー検定が向いている人・向かない人
AIリテラシー検定は、特に次のような人に向いています。
- これから生成AIを仕事で使い始める人
- ChatGPTなどを自己流で使っている人
- 個人情報や著作権などの注意点も学びたい人
- 社内のAI利用ルールを理解したい人
- AI資格を初めて受ける人
一方、機械学習やディープラーニングの理論を深く学びたい人には、試験範囲が物足りない可能性があります。
また、AIシステムを開発するためのプログラミング能力やモデル実装力を証明したい人にも、直接的な専門資格とはいえません。
目的に合った資格を選ぶことが重要です。
生成AIパスポート・G検定との違い
初心者向けのAI資格として比較されやすいのが、生成AIパスポートとG検定です。
| 資格 | 主な学習範囲 | 向いている人 |
|---|---|---|
| AIリテラシー検定 | 生成AIの基礎、安全利用、情報管理、出力確認 | 業務で生成AIを安全に使い始めたい人 |
| 生成AIパスポート | 生成AIの基礎、リスク、プロンプトなど | 生成AI分野を体系的に学びたい初心者 |
| G検定 | AI・機械学習・ディープラーニング・法律・倫理 | AI全般を体系的に学びたい人 |
生成AIに特化した資格を比較したい場合は、生成AIパスポートも候補になります。
一方、AI全般の知識を広く身につけたい場合は、G検定も確認してみましょう。
どの資格が上というより、学びたい範囲によって選ぶことが大切です。
AIリテラシー検定の申し込みから受検までの流れ
AIリテラシー検定はオンラインで申し込みます。
基本的な流れは次のとおりです。
- AI人材検定の公式ページで試験概要を確認する
- 受検申込ページから希望する級を選ぶ
- 必要事項を入力する
- 受検料を支払う
- 案内に従って公式教材・練習問題で学習する
- 受検期間中にオンラインで試験を受ける
- 結果通知を確認する
18歳未満の場合は、申込時に保護者の同意が必要と案内されています。
なお、申込後の受検料は原則返金されないため、受検する開催回を確認してから申し込みましょう。
AI人材検定・AIリテラシー検定に関するよくある質問
AI人材検定とAIリテラシー検定は違う資格ですか?
完全に別の資格ではありません。
AI人材検定という資格制度の中に、エントリーレベルのAIリテラシー検定があります。
AI初心者でも受検できますか?
AIリテラシー検定はエントリーレベルで、前提資格は基本的にありません。
生成AIをこれから学ぶ人も対象とされています。
合格率はどのくらいですか?
公式に確認できる合格率はありません。
具体的な合格基準も一般公開されておらず、公式FAQでは受検時に案内するとされています。
何時間勉強すれば合格できますか?
公式では勉強時間の目安を公表していません。
AIや生成AIの利用経験によって必要時間が変わるため、公式教材と練習問題で理解度を確認しながら学習量を調整しましょう。
資格に有効期限はありますか?
公式FAQでは、認定証の有効期限は1年とされています。
更新には再受検が必要で、更新料は通常の受検料の半額と案内されています。
不合格になった場合は再受検できますか?
再受検できます。
公式FAQでは、次回以降の試験で再受検できると案内されています。詳細条件は受検時の最新案内を確認してください。
まとめ
AI人材検定は、AIの基礎から業務活用、組織への導入までを段階的に評価する検定制度です。
その入口にあたるAIリテラシー検定では、生成AIの基本的な仕組みだけでなく、個人情報、機密情報、著作権、ハルシネーション、出力確認など、安全にAIを利用するための知識を学びます。
難易度は公式上「エントリー」とされています。一方、合格率や具体的な合格点は一般公開されていないため、数字だけで難易度を判断するのは避けましょう。
これから生成AIを業務で使いたい人や、自己流のAI利用から一歩進んで安全な使い方を体系的に学びたい人にとって、検討しやすい入門資格の一つです。
受検料や開催日程、試験内容は変更される可能性があるため、申し込み前には必ず公式サイトの最新案内を確認してください。

