プロンプトテンプレートとは?意味・仕組み・使い方を初心者向けにわかりやすく解説

プロンプトテンプレートとは、生成AIへ同じ種類の作業を繰り返し依頼するときに使える、プロンプトのひな型です。

たとえば、「誰向けの文章か」「何をしてほしいか」「どのような条件があるか」「どの形式で回答してほしいか」といった項目をあらかじめ用意しておき、必要な部分だけを書き換えて利用します。

ChatGPTなどを使っていると、さまざまなプロンプトテンプレートを見かけます。しかし、決まった一つの正解があるわけではありません。OpenAIも、すべての場合に使える単一の完璧なテンプレートが存在するわけではないと案内しています。

この記事では、プロンプトテンプレートの意味から仕組み、基本的な作り方、初心者でも使いやすい具体例までわかりやすく解説します。

目次

プロンプトテンプレートとは?

プロンプトテンプレートとは、生成AIへ与える指示を繰り返し利用できるよう、一定の形に整理したひな型です。

通常のプロンプトが「今回AIへ入力する具体的な指示」だとすれば、プロンプトテンプレートは「同じ種類の指示を何度も作るための型」と考えるとわかりやすいでしょう。

たとえば、毎回違う商品の紹介文を作りたい場合、次のようなひな型を用意できます。

目的:[商品の紹介文を作成する]
商品名:[ここに商品名を入力]
対象者:[ここに対象者を入力]
特徴:[ここに特徴を入力]
文字数:[ここに文字数を入力]
出力形式:[ここに形式を入力]

そのため、商品名や特徴だけを書き換えれば、同じ構造を何度も利用できます。

プロンプトテンプレートの概要を示す図

プロンプトテンプレートとプロンプトの違い

プロンプトとは、生成AIや大規模言語モデル(LLM)へ与える質問・指示などの入力です。OpenAIも、モデルへ入力を与えることを「Prompting」と説明しています。

違いを整理すると次のとおりです。

用語意味
プロンプトAIへ実際に与える質問・指示「この文章を100文字で要約してください」
プロンプトテンプレートプロンプトを繰り返し作るためのひな型「[文章]を[文字数]で要約してください」

プロンプトそのものについて詳しく知りたい場合は、プロンプトとは?意味・仕組み・使い方を初心者向けにわかりやすく解説もあわせて確認してください。

プロンプトテンプレートとプロンプトエンジニアリングの違い

プロンプトエンジニアリングは、生成AIから目的に合った出力を得やすくするために、指示の内容や構造を設計・改善する取り組みです。

一方、プロンプトテンプレートは、その設計した指示を再利用しやすい形にしたものと考えられます。

つまり、

  • プロンプト=AIへ与える指示
  • プロンプトテンプレート=指示を再利用するための型
  • プロンプトエンジニアリング=指示を設計・改善する取り組み

と整理すると違いを理解しやすくなります。

プロンプトテンプレートの仕組み

プロンプトテンプレートの基本的な仕組みは、変わらない指示を残し、毎回変わる情報だけを差し替えることです。

なお、複雑な技術が必要というわけではありません。

「ひな型を用意する→必要な情報を入れる→生成AIへ送る」という流れで利用できます。

プロンプトテンプレートの仕組みを示す図

ひな型を作る

最初に、何度も使う指示の基本形を作ります。

たとえば、文章を要約する仕事であれば、

「以下の文章を、[対象者]向けに[文字数]程度で要約してください」

という形です。

必要な情報を当てはめる

次に、角括弧などで示した部分へ今回の条件を入力します。

たとえば、

  • 対象者:生成AIを初めて学ぶ社会人
  • 文字数:200文字
  • 対象文章:今回要約したい文章

といった情報を入れます。

生成AIへ入力して結果を調整する

その後、完成したプロンプトを生成AIへ入力します。

ただし、一度で理想的な回答になるとは限りません。回答を確認しながら「もう少し短くしてください」「具体例を追加してください」などと追加で指示して調整できます。

プロンプトは固定された命令ではなく、結果を見ながら改善していくことも重要です。OpenAIやAnthropicの公式資料でも、明確な指示や具体的な条件、例などを活用してプロンプトを調整する考え方が案内されています。

プロンプトテンプレートの基本的な構成要素

初心者がプロンプトテンプレートを作る場合、すべてのテクニックを覚える必要はありません。

まずは、次の4項目を意識すると整理しやすくなります。

項目内容
やってほしいことAIに依頼する作業要約する、分類する、文章を作る
背景・対象者誰向けか、どのような状況か新入社員向け、初心者向け
条件・制約長さや含める内容300文字以内、専門用語を避ける
出力形式どの形で回答するか箇条書き、表、文章

やってほしいこと

最も重要なのは、生成AIへ何をしてほしいのかを明確にすることです。

たとえば、

  • 要約してください
  • 比較してください
  • メールを作成してください
  • アイデアを5つ提案してください

など、具体的な動作を伝えます。

背景・対象者

また、同じテーマでも、誰に向けて説明するのかによって必要な内容は変わります。

「生成AIについて説明してください」だけでなく、

「生成AIを初めて学ぶ社会人向けに説明してください」

と対象者を加えることで、求めている回答を伝えやすくなります。

条件・制約

必要に応じて、文字数や内容などの条件も指定します。

たとえば、

  • 300文字以内
  • 専門用語をできるだけ使わない
  • メリットと注意点を3つずつ挙げる
  • 事実と意見を分ける

といった条件です。

出力形式

さらに、回答の形を指定することもできます。

たとえば、

  • 箇条書き
  • メール形式
  • 見出し付きの文章

などです。

用途に合った形式を指定すると、その後の編集もしやすくなります。

プロンプトテンプレートの使い方

プロンプトテンプレートは、最初から複雑なものを作る必要はありません。

初心者の場合は、次の4段階で作ると理解しやすいでしょう。

1. 目的を決める

まず「生成AIを何に使いたいのか」を一つ決めます。

たとえば、

「会議の議事録を要約したい」

という目的です。

2. 変わらない部分と変わる部分を分ける

続いて、毎回同じ指示と、案件ごとに変わる情報を分けます。

議事録なら、

変わらない部分

  • 要点を整理する
  • 決定事項をまとめる
  • ToDoを抽出する

変わる部分

  • 会議内容
  • 出席者
  • 日付

などに分けられます。

3. 必要な情報を入力する

変わる部分へ、その都度情報を入れます。

項目を[ ]などで囲んでおくと、書き換える場所がわかりやすくなります。

4. 回答を確認して改善する

最後に生成された結果を確認します。

不足している情報があれば、テンプレート自体を修正しましょう。

繰り返し使うことで、

「対象者を書くと使いやすい」
「出力形式を指定したほうがよい」

といった改善点が見えてきます。

初心者向けプロンプトテンプレートの例

ここでは、初心者でも試しやすい例を紹介します。

そのまま固定して使うのではなく、目的に合わせて[ ]の部分を書き換えてください。

初心者向けプロンプトテンプレートの例を示す図

文章を要約する例

**目的:**以下の文章を要約してください。
対象者:[対象者]
長さ:[文字数]程度
**条件:**重要なポイントを落とさず、専門用語には簡単な説明を加えてください。
対象文章:[ここに文章を入力]

メールを作成する例

目的:[メールの目的]のメールを作成してください。
相手:[相手との関係]
伝えたい内容:[内容]
**文体:**丁寧で簡潔なビジネス文
長さ:[文字数または段落数]程度

なお、生成されたメールは、相手との関係や実際の事実に合っているか確認してから利用します。

アイデアを出してもらう例

目的:[テーマ]についてアイデアを提案してください。
対象者:[対象者]
条件:[予算・期間・避けたい内容など]
案の数:[件数]
**出力形式:**アイデア名・概要・メリットを表形式で整理してください。

このように、同じ基本構造でも目的に応じて項目を変えられます。

プロンプトテンプレートを使うメリット

プロンプトテンプレートのメリットは、単に文章を入力する時間を短くすることだけではありません。

また、指示を整理し、繰り返し利用しやすくなる点にも意味があります。

毎回ゼロから指示を書かずに済む

同じ仕事を繰り返す場合、毎回プロンプトを最初から考えるのは手間がかかります。

基本形を保存しておけば、必要な部分だけ変更して再利用できます。

指示の抜け漏れを減らしやすい

テンプレートに「対象者」「条件」「出力形式」などの入力欄を用意しておけば、必要な情報を確認しやすくなります。

特に、同じ作業を何度も行う場合に便利です。

チームで使い方をそろえやすい

仕事で生成AIを利用する場合、担当者ごとに指示方法が大きく異なることがあります。

そのため、共通のテンプレートを用意すれば、どのような情報をAIへ伝えるかをチーム内で整理しやすくなります。

ただし、生成AIの出力には揺らぎがあるため、同じテンプレートを使えば必ず完全に同じ回答になるわけではありません。

プロンプトテンプレートを使うときの注意点

テンプレートは便利ですが、入力するだけで必ず正しい答えが得られる仕組みではありません。

利用するときは、次の点に注意しましょう。

テンプレートをそのまま使えば必ず良い回答になるわけではない

用途、利用するモデル、入力する情報によって適した指示は変わります。

OpenAIも、一つの完璧なプロンプトテンプレートが存在するわけではないと説明しています。

有名なテンプレートだからという理由だけで固定せず、実際の回答を確認しながら調整しましょう。

必要な背景情報を追加する

テンプレートの項目を埋めても、AIが判断するための情報自体が不足している場合があります。

たとえば「メールを書いて」だけでは、

  • 誰に送るのか
  • 何を伝えるのか
  • どの程度丁寧にするのか

がわかりません。

必要な背景を具体的に伝えることが大切です。

AIの回答をそのまま正しいと判断しない

生成AIは、自然な文章であっても事実と異なる内容を生成する場合があります。

特に、料金、法律、契約、医療、統計、最新情報など、正確性が重要な内容は公式サイトや公的機関などの一次情報で確認しましょう。AWLのLLM解説でも、生成された回答が常に正しいとは限らない点を説明しています。

機密情報や個人情報の扱いに注意する

また、仕事でテンプレートを使う場合は、入力するデータにも注意が必要です。

顧客情報、社外秘資料、個人情報などを不用意に入力せず、所属組織のルールや利用する生成AIサービスのデータ取り扱い方針を確認したうえで利用しましょう。

プロンプトテンプレートに関するよくある質問

ここでは、初心者が疑問を持ちやすい点を整理します。

初心者でもテンプレートを使ったほうがよい?

必須ではありません。

最初は「何をしてほしいか」「誰向けか」「どのような条件か」を具体的に伝えるだけでも十分です。

同じ作業を何度も行うようになった段階で、うまくいった指示をテンプレートとして保存すると使いやすいでしょう。

長いテンプレートほど良い回答になる?

長ければ良いとは限りません。

必要な情報を明確に伝えることが重要です。不要な条件を大量に加えると、かえって何を重視すべきか分かりにくくなる場合があります。

まずは必要な項目だけで作り、結果を見ながら追加していきましょう。

ChatGPT以外でも使える?

さらに、基本的な考え方は、ほかの生成AIでも利用できます。

ただし、モデルやサービスによって推奨される指示方法や機能が異なる場合があります。たとえばAnthropicもClaude向けに、明確な指示、具体例、出力形式などに関する独自のガイダンスを公開しています。

利用するサービスの公式情報も確認しましょう。

一度作ったテンプレートはずっと使える?

そのため、定期的な見直しがおすすめです。

仕事内容が変わったり、生成AIのモデルや機能が更新されたりすると、以前のテンプレートが最適とは限りません。

実際の出力を確認し、不要な条件を削除したり、新しい条件を追加したりして改善します。

まとめ|プロンプトテンプレートは生成AIへの指示を再利用するためのひな型

プロンプトテンプレートとは、同じ種類の作業を生成AIへ繰り返し依頼するときに利用できる、プロンプトのひな型です。

ポイントを整理すると次のとおりです。

  • プロンプトは生成AIへ与える具体的な質問・指示
  • プロンプトテンプレートはプロンプトを繰り返し作るための型
  • 毎回変わる部分だけを書き換えて利用できる
  • 目的、対象者、条件、出力形式などを整理すると作りやすい
  • 毎回ゼロから指示を書く手間や、条件の抜け漏れを減らしやすい
  • すべての用途に使える唯一の正解となるテンプレートはない
  • 生成された回答は人が確認し、必要に応じてテンプレートも改善する

初めから複雑な型を覚える必要はありません。

まずは普段使っているプロンプトの中から、何度も使う指示を一つ選び、「どこを毎回書き換えているか」を整理してみましょう。それがプロンプトテンプレートを作る第一歩です。

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出典・参考情報

この記事を書いた人

田中和馬のアバター 田中和馬 株式会社エヌ・ケーパートナーズ/AIスクールガイド|AWL編集長

株式会社エヌ・ケーパートナーズが運営する「AIスクールガイド|AWL」編集長。10年以上にわたり、SEOメディアの立ち上げ・構築・運用に携わってきました。

2024年頃から生成AIを独学で学び始め、その後、生成AIスクールでも体系的に学習。現在はChatGPT、Gemini、Claudeなどを活用し、ディープリサーチによる情報収集、マーケティング企画、記事構成・文書作成、メール作成、業務自動化などに日常的に取り組んでいます。

また、生成AIをWebサイトの企画・制作、コーディング、デザインにも活用。エンジニアやデザイナーの業務領域を理解しながら、自らディレクションを行い、メディアの設計から制作・運用まで一貫して担当しています。生成AIスクール・講座の調査、比較基準の設計、記事編集・品質管理も担当しています。

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