Salesforce Agentforce Specialistは、SalesforceのAIエージェント基盤「Agentforce」を使い、プロンプトテンプレートやAIエージェントを設計・実装するスキルを証明する認定資格です。
結論からいうと、Salesforceの運用・開発経験があり、Agentforceを実務で扱う人に向く中級レベルの資格と考えられます。
受験資格そのものはありません。ただし、Salesforceは合格者の多くに約1年の経験があると説明しています。対象となるのは、Salesforce Platformの設定や標準オブジェクト、Data 360などです。そのため、実際にAgentforceを操作しながら準備するほうが適しています。
そこで、この記事では、Salesforce Agentforce Specialistの難易度、2026年8月時点の試験内容、受験料、勉強方法まで公式情報を基に解説します。
Salesforce Agentforce Specialistとは
この資格は、Agentforceを使ったAIエージェントとプロンプトテンプレートの設計・実装能力を評価するSalesforce認定資格です。
Salesforce公式では、管理者、開発者、アーキテクトなどを主な対象者としています。試験では、Prompt BuilderによるグラウンディングやData 360を利用した検索を扱います。また、エージェントのテストから本番展開まで幅広く問われます。
つまり、単に「生成AIについて知っているか」を問う資格ではありません。
Salesforceという業務プラットフォーム上で、AIエージェントを安全かつ実用的に設計・運用できるかが重要になります。
なお、Agentforceで利用される生成AIそのものを基礎から確認したい場合は、AWLの生成AIとは?も参考になります。
Salesforce Agentforce Specialistの試験概要
まず、2026年8月23日時点でSalesforce公式受験ガイドに掲載されている試験概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Salesforce 認定 Agentforce スペシャリスト |
| 試験コード | AI-201 |
| 運営 | Salesforce |
| 提供状態 | 現行 |
| 試験バージョン | Spring ’26 |
| 問題数 | 多肢選択60問+採点対象外の最大5問 |
| 試験時間 | 105分 |
| 合格点 | 72% |
| 受験料 | 30,000円(税抜)/200米ドル(税抜) |
| 再受験料 | 15,000円(税抜)/100米ドル(税抜) |
| 受験方式 | テストセンターまたは試験監督付きオンライン |
| 言語 | 英語・フランス語・日本語 |
| 前提資格 | なし |
| 資料参照 | 不可 |
| 資格の維持 | 年1回のメンテナンス要件あり |
なお、試験コードの「AI-201」はSalesforceのTrailhead Academy受験ページでも確認できます。

Agentforce Specialistに受験資格はない
ただし、Agentforce Specialistには、必須となる前提資格は設定されていません。
一方、Salesforceは関連資格として「Salesforce 認定 Platform アドミニストレーター」と「Salesforce 認定 Platform アプリケーションビルダー」を推奨しています。いずれも必須ではありません。
Salesforceのオブジェクト、権限、設定方法などの知識も必要です。慣れていない場合は、Agentforceだけを暗記せず、Platformの基礎から理解しましょう。
Salesforce Agentforce Specialistの難易度は中級
AWLでは、Salesforce Agentforce Specialistの難易度を中級と整理します。
ただし、これはSalesforceが公式に設定した難易度ランクではなく、試験範囲、推奨経験、前提条件などを踏まえた編集上の分類です。
前提資格がないため受験自体はしやすい
まず、資格取得を申し込むための必須認定資格はありません。
そのため、その意味では、受験への入口は広い資格です。
一方、公式ガイドでは合格者の多くに約1年の経験があると説明しています。Salesforce Platformの設定、標準オブジェクト、Data 360などの経験です。また、Agent BuilderやPrompt Builderを操作した実務経験も想定されています。
したがって、「受験資格がない=初心者向けの簡単な試験」と考えないほうがよいでしょう。
Agentforce Specialistの合格点は72%
具体的には、現在の公式受験ガイドでは、合格点は**72%**です。
過去の記事や学習教材では、異なる合格点が記載されている場合があります。試験内容は製品リリースに合わせて変更されます。そのため、受験前に現行の公式受験ガイドを確認してください。
なお、受験者全体の合格率は公式ガイドでは公表されていません。合格点72%と合格率を混同しないことが大切です。
Salesforce Agentforce Specialistの試験内容・出題範囲
まず、Spring ’26版のAgentforce Specialistは、次の6分野から出題されます。
| 出題分野 | 割合 |
|---|---|
| AI Agents | 35% |
| Prompt Engineering | 20% |
| Data 360 Fundamentals | 20% |
| Testing, Deployment, and Maintenance | 10% |
| Governance and Observability | 10% |
| Multi-Agent Orchestration | 5% |
AI Agentsが35%で最重要
特に、最も割合が高いのは**AI Agentsの35%**です。
具体的には、主に、次のような知識が問われます。
- エージェントとAgent Scriptの基本構造
- ハイブリッド推論
- Canvas ViewとScript View
- フィルター、変数、テンプレート式
- 標準トピックとカスタムトピック
- 標準アクションとカスタムアクション
- デジタルエクスペリエンス、メール、音声、Slackなどへの接続
- エージェントが動作するセキュリティコンテキスト
- Employee AgentとService Agentの使い分け
- Agent API
単語の意味を覚えるだけでなく、「この業務要件ならどの設定を選ぶか」という視点で理解する必要があります。
Prompt Engineeringは20%
Prompt Engineeringは20%です。
この分野では、Prompt Builderをいつ利用するかが問われます。また、アクセス制御、テンプレート種別、適切なグラウンディング方法なども対象です。
さらに、Trust Layerのセキュリティ・プライバシー機能や、利用可能なモデルの管理についても試験範囲に含まれています。
Data 360 Fundamentalsは20%
また、Data 360 Fundamentalsも20%を占めます。
主なテーマは、Agentforce Data Libraryと、Data 360によるグラウンディングの基礎です。
特に押さえておきたいのは次の3つです。
- チャンキング
- インデックス化
- Retriever
エージェントへ適切な情報を与える仕組みを理解し、「どのデータをどう参照させるか」を判断できる状態を目指しましょう。
テスト・本番展開・運用も出題される
さらに、Testing, Deployment, and Maintenanceは10%です。
Testing Centerによるエージェントのテストや評価、Sandboxから本番環境への展開、プロンプトテンプレートの展開時に考慮する事項などが含まれます。
また、Governance and Observabilityも10%あり、本番稼働したエージェントの監視、分析、最適化を理解する必要があります。
マルチエージェントは5%
最後に、Multi-Agent Orchestrationは5%です。
比率は小さいものの、複数エージェントを利用する構成も試験範囲です。また、MCPやA2Aなどのオープンなマルチエージェントプロトコルも含まれます。
5%だからと切り捨てず、目的と役割の違いを説明できる状態にしておきましょう。
Salesforce Agentforce Specialistの勉強方法
Agentforce Specialistでは、暗記だけに偏らず、公式試験範囲→Trailhead→実機操作→シナリオ演習の順に進める方法がおすすめです。
また、Salesforce自身も、実務経験、トレーニング、Trailhead、自主学習を組み合わせることを推奨しています。

1.最新の公式受験ガイドを確認する
まず、最初に、現在の試験範囲と配点を確認します。
特にAgentforceは更新頻度が高い製品です。古いブログや問題集だけを基準にすると、現在の用語や出題分野とずれる可能性があります。
まずは6分野を一覧にし、自分が説明できない項目を洗い出すと効率的です。
2.Agentblazerで基礎を固める
次に、Salesforceは、Agentforce Specialistの試験準備としてAgentblazerステータスの取得を案内しています。
Salesforce未経験者なら、いきなり試験問題へ進むより、Agentblazer ChampionなどでAIとAgentforceの基本概念から確認すると理解しやすくなります。
一方、実務経験がある人は苦手分野だけTrailheadで補う方法もあります。
3.Agent BuilderとPrompt Builderを実際に使う
試験では「機能の名前」だけではなく、業務要件に応じた設定判断が重要です。
たとえば、可能であれば、次の操作を実際に試しておきましょう。
- Agent Builderでエージェントを構築する
- トピックとアクションを設定する
- Prompt Builderでテンプレートを作成する
- Data 360を使ったグラウンディングの流れを確認する
- Testing Centerでエージェントをテストする
- Sandboxから本番へ展開する考え方を確認する
公式ガイドでも、合格者にAgent Builder、Prompt Builder、Testing Centerなどの実践経験があることを示しています。
4.配点の高い3分野から優先する
AI Agents、Prompt Engineering、Data 360 Fundamentalsの3分野だけで**75%**を占めます。
そのため、最初はこの3分野を優先すると学習計画を立てやすくなります。
ただし、残り25%を捨てるのはおすすめできません。合格点が72%である以上、テスト、ガバナンス、マルチエージェントも一通り説明できる状態にしておきましょう。
5.「なぜその設定を選ぶのか」を説明する
最後に、最後はシナリオ形式の学習へ進みます。
たとえば、「どのテンプレートを使うか」だけを覚えるのではなく、
- なぜPrompt Builderが適しているのか
- なぜそのグラウンディング方法なのか
- どのエージェント種別が適切なのか
- どの権限やセキュリティを考慮するのか
まで説明できる状態を目指します。
製品操作と判断理由をセットにすると、仕様変更があった場合にも知識を整理しやすくなります。
勉強時間はどれくらい必要?
Salesforceは、Agentforce Specialistについて「合格まで○時間」といった標準勉強時間を公式には示していません。
そのため、資格取得に必要な時間を一律に断定することはできません。
そのため、目安時間を決めるより、次の状態になっているかで受験時期を判断するほうが確実です。
- 6つの出題分野を説明できる
- Agent Builderで基本的なエージェントを作れる
- Prompt Builderのテンプレートを使い分けられる
- Data 360のチャンキング・インデックス・Retrieverを説明できる
- Testing Centerと本番展開の流れが分かる
- セキュリティやガバナンスを含めて設定を判断できる
なお、TrailheadにはAgentblazer Champion 2026などの所要時間が表示されています。ただし、これはTrailheadの修了時間です。Agentforce Specialistの合格に必要な勉強時間ではありません。
Salesforce Agentforce Specialistを取得するメリット
Agentforce Specialistを取得するメリットは、Salesforce上でAIエージェントを設計・実装するための知識を体系的に整理できることです。
たとえば、特に次のような領域をまとめて学べます。
- AgentforceによるAIエージェント設計
- プロンプト設計
- Salesforceデータを利用したグラウンディング
- AIエージェントのテスト
- 本番展開
- 監視・ガバナンス
- マルチエージェント連携
Salesforceをすでに業務で使用している人にとっては、従来のCRM設定知識からAIエージェント活用へスキルを広げるきっかけになります。
ただし、資格を取得しただけで転職、昇進、年収アップ、業務成果が保証されるわけではありません。
そのため、資格は知識を示す手段の一つです。実務では、Agentforceを使ってどのような業務課題を解決できるかも重要になります。
Salesforce Agentforce Specialistが向いている人
次のような人は、Agentforce Specialistを検討しやすいでしょう。
- Salesforce管理者
- Salesforce開発者
- Salesforceアーキテクト
- Agentforceの導入・運用担当者
- AIエージェントをSalesforce業務へ組み込みたい人
- Prompt BuilderやData 360まで体系的に学びたい人
特に、すでにSalesforce Platformを扱っている人との相性が良い資格です。
反対に、Salesforceを使う予定がない人には適さない場合があります。生成AI全般の基礎だけを学びたい場合は、より汎用的な資格と比較しましょう。
受験前に確認したい料金・更新制度
まず、現在の受験料は30,000円(税抜)、再受験料は15,000円(税抜)です。
Salesforce公式ガイドでは、2026年7月24日19時30分(JST)以降に申し込む再受験について、Agentforce Specialistの再受験料を通常受験料の半額で案内しています。
また、取得後も完全に永久資格として放置できるわけではありません。
Salesforceでは、資格維持のため年1回のメンテナンスモジュールを完了する必要があります。期限までに完了しない場合は、資格が失効する可能性があります。
なお、料金、試験バージョン、更新条件は変更される可能性があるため、申込直前にも公式ページを確認してください。
Salesforce Agentforce Specialistに関するよくある質問
Salesforce初心者でも受験できますか?
ただし、受験資格はないため、Salesforce初心者でも申し込めます。
ただし、公式ガイドではSalesforce Platformの設定、標準オブジェクト、Data 360、Agent Builderなどの経験を持つ受験者を想定しています。未経験の場合はSalesforceの基礎を学んでからAgentforceへ進むほうが理解しやすいでしょう。
日本語で受験できますか?
はい。2026年8月23日時点の公式ガイドでは、日本語、英語、フランス語に対応しています。
合格率は何%ですか?
なお、公式な受験者合格率は、現在確認できるSalesforce公式受験ガイドでは公表されていません。
一方、試験の合格点は72%と明記されています。合格率と合格点は別の数字です。
Agentforce Specialistに前提資格はありますか?
結論として、必須の前提資格はありません。
ただし、Salesforce 認定 Platform アドミニストレーターとSalesforce 認定 Platform アプリケーションビルダーが関連資格として推奨されています。
取得後に更新は必要ですか?
はい。Salesforce公式ガイドでは、Agentforce Specialistを維持するため年1回のメンテナンスモジュール完了が必要とされています。
関連する生成AI・AI資格
Agentforce Specialist以外のベンダー資格も比較したい場合は、次の記事も参考になります。
- Google Cloud Generative AI Leaderとは?難易度・試験内容・勉強方法を解説
- Microsoft Certified: AI Business Professionalとは?難易度・試験内容・勉強方法を解説
- Azure AI Apps and Agents Developer Associate(AI-103)とは?試験範囲・難易度を解説
資格全体から比較したい場合は、生成AI資格ガイドへ戻って目的に合う資格を確認してください。
まとめ
Salesforce Agentforce Specialistは、SalesforceのAIエージェント「Agentforce」を設計・実装・運用する知識を証明する認定資格です。
受験資格はありませんが、試験ではAgentforceだけでなく、Prompt Builder、Data 360、Testing Center、セキュリティ、ガバナンス、マルチエージェントまで幅広く問われます。
特に重要なのは次の3分野です。
- AI Agents:35%
- Prompt Engineering:20%
- Data 360 Fundamentals:20%
そのため、この3分野だけで75%を占めるため、まず重点的に学習しましょう。
一方、暗記だけでなく実際の操作も重要です。公式受験ガイドを起点に、Agent BuilderやPrompt Builderを試しましょう。また、Trailheadとハンズオンを組み合わせ、設定理由まで説明できる状態を目指してください。
Salesforceをすでに業務で利用しており、今後Agentforceの設計・導入・運用にも関わりたい人にとって、検討価値のある資格です。
出典・参考情報
- Salesforce「Salesforce 認定 Agentforce スペシャリスト受験ガイド」
- Salesforce Trailhead「Salesforce 認定 Agentforce スペシャリスト」
- Salesforce Trailhead「Agentblazer」
- Salesforce Trailhead「Agentblazer Legend 2026 になる」
- Salesforce Trailhead「認定 Agentforce スペシャリスト資格の更新」
- Salesforce Trailhead Academy「Agentforce Specialist – AI-201」
情報確認日:2026年8月23日


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