AI議事録ツールは、知名度や月額料金だけでなく「対面で録音する」「オンライン会議を記録する」「手元の録音ファイルを取り込む」のどれが中心かで比較すると選びやすくなります。入口が合った候補について、日本語の確認・修正、要約、無料枠、出力、データ管理の順に条件を絞りましょう。
本記事は、社内会議や商談の記録に使うサービスを選びたい担当者向けに、Notta・tl;dv・Rimoの公式情報を整理した比較です。実機による認識精度・処理速度の測定や、同じ音源を使った順位付けは行っていません。情報確認日は2026年10月30日です。
AI議事録ツールを比較するときの結論と選び方
最初に決めたいのは「どの会議の、どの作業を減らしたいか」です。発言を後から検索したいのか、決定事項と担当者を整理したいのか、社外へ提出する議事録を作りたいのかで、必要な機能は変わります。機能の多さより、録音から確認・共有までを無理なく運用できることを優先しましょう。
たとえば、対面会議が中心ならマイクからの録音と複数話者の修正、オンライン会議が中心なら利用中の会議サービスとの連携、録音済みデータが中心ならファイルの取り込み条件が入口です。これらを満たした候補の中から、要約の作り直しやダウンロードまで含めて比較します。
- 対面中心:録音端末・マイクの設置場所・話者の確認方法を決める。
- オンライン中心:Bot参加型か、端末で音声を収録する方式かを確認する。
- 録音ファイル中心:形式・長さ・容量・アップロード回数を確認する。
基本的な仕組みを先に整理したい方は、議事録AIの意味と仕組みも参考になります。この記事では一般的な定義よりも、実際にサービスを絞り込む判断材料に重点を置きます。
AI議事録ツールの比較表|公式機能と利用条件を一覧
以下は公式に案内された機能を、用途別に読み替えた比較です。「検討しやすい場面」は編集上の整理であり、他サービスで同じ用途を扱えないという意味ではありません。
| サービス | 検討しやすい場面 | 入口・機能の確認点 | 契約前に見る条件 |
|---|---|---|---|
| Notta | 対面・オンライン・既存ファイルをまとめて比較したい | リアルタイム録音、オンライン会議、ファイル取り込みに対応。AI要約テンプレートを用意 | 月間時間と1回の長さを別々に確認。ダウンロード等の対象プランも確認 |
| tl;dv | オンライン会議の記録方法を選びたい | Zoom・Google Meet・Teamsに対応。デスクトップアプリにはBotなしの音声収録方式もある | 無料枠の保存・AI利用条件、アップロード上限の表記差に注意 |
| Rimo | 会議の記録から議事録の編集・出力まで整理したい | Bot参加、ファイル取り込み、マイク録音を公式ヘルプで案内 | 公式サイトとヘルプでプラン名が異なるため、適用条件の確認が必要 |
この3サービスを「精度1位・2位」のように並べていないのは、収録環境や固有名詞、発言の重なりなどの条件をそろえた実測がないためです。機能として日本語に対応していることと、自社の会議を修正なしで使えることは別に判断する必要があります。
比較時には、候補ごとに「入力方法」「必要な出力」「共有相手」「管理者の要件」を1枚に書き出すと、不要な機能に引っ張られにくくなります。たとえば社外提出用のWord文書が必要なら、AI要約の種類より先に、対象プランで目的の形式を出せるかを確認する方が合理的です。
AI議事録ツールを会議形式・録音方式で比較
会議形式が同じでも、録音の仕組みは同一ではありません。特にオンライン会議では「Botが会議に参加する方式」と「端末側で音声を取り込む方式」を分けて確認しましょう。

対面会議:サービスより先に収録条件を整える
対面会議では、全員の声が入る位置に端末を置けるか、周囲の雑音が多くないか、発言が重なりやすくないかを整理します。NottaはPC・スマートフォンからのリアルタイム収録を案内し、Rimoもマイクを使った文字起こしを案内しています。
導入候補を決める段階では、参加人数と座席、録音する端末、確認担当をセットで考えてください。小会議室で成立した運用が、そのまま広い会議室でも成立するとは限りません。本番会議に個人情報を入れる前に、利用許可を得た短いテスト用の会話で、聞き取りと修正の流れを確かめる方法が適しています。これは導入時の確認手順の提案であり、本記事の実測結果ではありません。
オンライン会議:Bot参加とBotなしを分ける
tl;dvの公式ヘルプでは、デスクトップアプリのBotなし録音はマイクとシステム音声を収録し、動画・画面共有・チャットは保存しないと説明されています。オンライン会議の内容を残せるからといって、画面上の資料まで録画されるとは限りません。
音声だけで十分な定例会議と、画面を見ながら仕様を確認する会議では、必要な記録が異なります。また、Botが参加者一覧に見えない方式でも、参加者への録音の説明を省いてよいわけではありません。端末の通知音なども入り得るため、録音範囲と会議外の音声を取り込まない運用を確認してください。
録音ファイル:取り込みと話者情報は別の条件
既存ファイルを扱う場合は、再生できる形式であることに加え、アップロードできる長さ・容量や話者名の扱いを確認します。tl;dvのアップロード案内では、話者が自動で実名に結び付かず、Speaker 1などの表示になると説明されています。取り込み後に誰の発言かを確かめる作業を見込んでおきましょう。
Rimoは録音済みファイルの入力方法として、音声はm4a、動画はmp4を推奨しています。ただし、他形式を使えるか、変換が必要かは個別のファイル条件に依存します。元ファイルを保持し、検証用コピーで試すと、変換後に音声が欠けていないかも確認しやすくなります。
AI議事録ツールの日本語対応・要約機能を比較
日本語対応の有無だけでなく、誤認識を直して議事録に仕上げる工程まで比較することが大切です。「文字起こし」と「要約」を分けると、どこを確認すべきかが明確になります。
文字起こしは人名・数字・専門用語を重点確認する
確認表には、社名・商品名・人名・日付・金額・担当者を入れておくと実務につなげやすくなります。長い会話をすべて同じ密度で確認するのではなく、意思決定に関わる語句から元音声と照合する運用を設計しましょう。話者分離ができても、発言者名まで確定したとは扱わないことが重要です。
ツールの比較段階で確認したいのは、文章の修正箇所を探せるか、元音声に戻れるか、修正内容を共有する担当を決められるかです。日本語の文章が自然に見えることを、内容の正確性の代わりにしないでください。
要約は決定・提案・未決を分けて確認する
NottaのAI Notes案内では、要約を生成する前に文字起こしや話者名を整えることが推奨されています。元の文字起こしに誤りがあれば、それを前提にした要約にも影響するためです。要約の形式を選べることと、内容の承認が終わっていることを混同しないようにしましょう。
比較用のチェック項目は「決まったこと」「まだ提案段階のこと」「担当者」「期限」「次回確認事項」の5つが基本です。発言が曖昧な部分は空欄や確認待ちとして残し、AIに都合のよい担当者や日付を補わせない方が、後から修正しやすくなります。
生成AIがもっともらしい誤情報を出す問題は、ハルシネーションの解説でも整理しています。議事録では特に、要約の読みやすさと根拠のある記録を分けて考える必要があります。
AI議事録ツールの無料枠・料金・出力条件を比較
無料・有料の比較では、月額だけでなく、1回の会議を最後まで扱えるか、要約を必要回数作れるか、成果を取り出せるかまで見ることが重要です。年払いの月額換算と、月ごとの請求額も区別してください。

Nottaは月間時間と1回の上限を分けて見る
公式料金ページでは、フリーは月120分の文字起こしに対し、1回の上限は3分と案内されています。月間時間が足りていても、通常の長さの会議を1回で扱えるとは限りません。プレミアムの年払い表示は税込月額換算1,185円、12か月合計14,220円の一括払いです。この表示を月払い契約の料金として比較しないでください。
無料で試す目的は、操作の入口や表示を確認することに置くと判断しやすくなります。本番の会議時間を前提にした費用見積もりでは、必要な出力や管理機能を含むプランを選び、契約直前の支払画面でも期間と総額を確認しましょう。
tl;dvは「録音無制限」以外の条件も確認する
tl;dvは無料プランで録音・文字起こしを無制限と案内していますが、AI機能や保存条件まで無条件に使える意味ではありません。無料プランの公式ヘルプには録画の保存期間などの制限があり、録画と文字起こし・メモの扱いも分かれています。長期保管したい場合は、保存条件を個別に確認してください。
なお、無料のファイルアップロード数は、確認時点の公式ページ間で3件と5件の表記が一致していません。本記事では一方を確定値として採用せず、利用するアカウントの表示または提供元への確認が必要な項目としています。有料プランの現行金額も、契約画面で確認してください。
Rimoは新旧プラン表記と出力対象を照合する
Rimoは現在の公式サイトにSolo・Businessなどのプラン表示がある一方、機能別ヘルプではプロ・チーム・法人という表記が残っています。名称だけで対応関係を推測せず、使いたい機能が契約候補のプランに含まれるかを確認しましょう。期間限定の価格表示も、恒常的な料金として固定しないことが大切です。
ダウンロードの公式ヘルプでは、文字起こしと要約で出せる形式が異なります。「まとめ・議事録」はテキスト・Word・PDFに対応し、PDFはPCでの利用と案内されています。スマートフォンで確認してそのままPDF提出したい場合などは、端末を含めた業務の流れを確認してください。
AI議事録ツールをデータ管理・共有設定で比較
保存場所や認証の名称だけで安全性を決めず、実際に録音する情報と共有範囲に合うかを確認しましょう。Nottaの公式セキュリティヘルプはAWSの東京リージョンでの保存を案内しています。tl;dvの公式サイトはEUでのデータ保存とAI学習に使わない方針を示し、Rimoの公式サイトも日本国内の保存とAI学習なしを掲げています。
ただし「国内保存」と「外部サービスへの処理委託がない」は同じ意味ではありません。また、文字起こし・要約・連携機能で適用される処理や条件が異なる可能性があります。機密性が高い会議では、対象機能、対象プラン、保存期間、削除方法、外部AIへの送信条件を社内の確認担当と照合してください。
| 管理項目 | 比較時に確認すること |
|---|---|
| 共有範囲 | リンクを知る人が見られるのか、指定した利用者だけか。編集と閲覧を分けられるか |
| 自動共有・連携 | 会議終了後に誰へ送られるか。CRMやチャットへ不要な内容を送らないか |
| 保存と削除 | 音声・文字起こし・要約の保存期間、退職者のデータ移管、削除方法 |
| 利用目的 | AI学習、サービス改善、外部処理の条件が自社のルールに合うか |
tl;dvではアップロード時にも自動共有の設定が適用されると案内されています。録音ファイルを手動で入れるだけだから非公開だろう、と決めつけないことが大切です。取り込み前に共有設定を確認し、機密性の低い検証用データから扱う運用をおすすめします。
情報の扱いに迷う場合は、プライバシーの基本と生成AI利用時の注意点も確認してください。ここでの整理は一般的な運用上の確認事項であり、個別の契約・法令への適合を保証するものではありません。
導入前に決めたい録音同意と確認・修正の運用
ツールを選んだら、録音の開始から共有までの担当を決めます。会議を録音できる状態と、議事録を外部へ渡してよい状態は別です。AIが出した文章を確認なしで自動配布する前提にはしないでください。

- 開始前:録音の目的、使うサービス、共有先を参加者に説明し、必要な了承を得る。
- 録音後:元データが欠けていないかを確認し、人名や数字を修正する。
- 要約後:決定事項と提案を区別し、担当者・期限を会議の内容に照らして確認する。
- 共有前:閲覧権限を限定し、外部提出用と社内用を分ける。
- 運用後:保存期間と削除担当を決め、退職・異動時のアクセスも見直す。
導入検証では、単純な「認識された文字数」より、議事録として承認できるまでの確認作業を記録すると、自社に合うかを判断しやすくなります。たとえば修正が必要だった項目、音声に戻った箇所、提出形式への変換作業を同じチェック表に残します。異なる会議を使った結果をそのまま他社比較にしないことも重要です。
最初から全会議へ展開するのではなく、情報の扱いが整理しやすい会議を対象に、担当者と共有先を限定して試すとよいでしょう。運用が決まる前に自動参加や自動共有を広げると、記録してはいけない会議まで対象になる恐れがあります。
AI議事録ツール比較のよくある質問とまとめ
無料のAI議事録ツールだけで仕事に使えますか?
会議の長さ、必要な回数、出力形式、保管期間が無料枠に収まるなら検討できます。ただし「無料」と「業務に必要な条件がそろう」は別です。短い試用では分からない1回の時間上限や、共有・ダウンロードの条件まで確認してください。
日本語の認識精度が一番高いツールはどれですか?
本記事では条件をそろえた実測をしていないため、1位は決めていません。日本語対応、専門用語の修正、話者の確認、音声への戻りやすさを整理し、自社で許可された同じ検証条件で確かめるのがおすすめです。
オンライン会議でBotを入れずに使えますか?
Botなしの音声収録方式を提供するサービスもあります。たとえばtl;dvはデスクトップアプリでその方式を案内しています。ただし、音声のみか動画も残るか、端末の権限設定や社内ルールに合うかは別途確認が必要です。Botが見えなくても録音の説明は行いましょう。
AI要約をそのまま正式な議事録にしてよいですか?
正式な記録にする前に、会議の内容と照合し、人が承認する運用を設けてください。とくに決定事項、未決事項、担当者、期限、金額は確認対象です。文章が自然でも、発言の意味や決定の有無が正しいとは限りません。
まとめ:入口・確認・共有までを一つの流れで比較する
AI議事録ツールは、対面・オンライン・録音ファイルという入口をそろえてから比較すると、選定理由が明確になります。Notta、tl;dv、Rimoを候補にする場合も、機能表だけで決めず、無料枠の制限、出力方法、対象プラン、共有条件を確認してください。
まずは「対象の会議」「必要な完成形式」「確認する担当者」「共有できる相手」を書き出し、その条件に合う候補を絞りましょう。公式情報が一致しない項目は推測で埋めず、契約前に提供元へ確認することが、導入後の手戻りを減らす比較につながります。
※料金・機能・利用条件は変更される場合があります。本記事は公式情報に基づく比較であり、特定の認識精度・処理速度・削減時間を保証するものではありません。
出典・参考情報
以下の公式情報を2026年10月30日に確認しました。機能ごとに対象プランが異なる場合があります。
- Notta「料金プラン」
- Notta「Intro to transcription」
- Notta「Generate AI Notes with templates」
- Notta「Data security and privacy policy」
- tl;dv「公式サイト」
- tl;dv「What is tl;dv’s pricing?」
- tl;dv「What are the limits of the Free plan?」
- tl;dv「Uploads」
- tl;dv「Recording without a bot」
- Rimo「公式サイト」
- Rimo「議事録(文字起こし)を作成する3つの方法」
- Rimo「ノートをダウンロードする」
